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年金型生保二重課税 10月下旬から還付
【10月下旬から還付できるか】

今日の日本経済新聞によると、財務省と国税庁は、年金払い方式の生保い相続税と所得税が「二重課税」される問題について、10月下旬から還付を開始する方針を固めたそうです。
生命保険会社によっては、かなり複雑な設計となっている保険商品もありますから、本当に10月下旬からの還付に対応できるのか注目していきたいところです。


【二重課税のおさらい】

今回、7月6日に最高裁で判断されたケースを簡単に紹介すると以下のようなものです。

夫が死亡し、残された妻が2,300万円の死亡保険金を受け取ることとなりました。
妻はこれを毎年230万円10年間の分割として受け取ることになっていました。
相続税の申告にあたって、2,300万円×60%=1,380万円を課税対象として、相続税の申告を行いました(相続税の計算上、このケースの場合、60%の評価となります)
その後毎年、年金として支払われるにあたって、230万円から支払った保険料相当額を必要経費として差し引いた金額を課税対象として所得税が課税されました。

ここで、当初相続税で申告したものに対して、なぜその後受け取る際に所得税も支払わなければならないのか、と疑問に思った主婦が訴訟を起こしたわけです。
結果、相続税の課税対象となった1,380万円部分が二重課税となっていると判断されたわけです。

私も、相続税の申告に携わるようになった当初、このことについては疑問に思い、上司に確認した記憶があります。


ところで、今回の判決では1回目に受け取った年金については二重課税と判断していますが、2回目以降に受け取った年金については判断していません。
というのも、2回目以降の年金については、運用益が含まれていて、その運用益部分については相続税は課税されていないので、所得税の課税は不当ではない、ということなのです。

上記で2,300万円に60%を乗じていますが、それ以外の40%が運用益部分に該当するということです。
この40%部分については相続税が課税されていないので、所得税を課税しても二重課税にはならないということのようです。

また、相続税と所得税が二重課税ということは、住民税や国民健康保険料にも影響を及ぼします。

今回の判決のインパクトは生命保険だけに限らず各方面に波及していきますので、注意が必要です。


生命保険を利用した相続対策のご相談は相続税専門の関根盛敏税理士事務所まで|さいたま市川越市熊谷市東松山市|

投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2010年09月01日) | PermaLink

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