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相続税改正の動向
【相続税は増税、贈与税は減税の方向性】

当HPにも掲載してありますが、相続税は増税、贈与税は減税、というのが最近の相続関連税制の傾向です。

平成23年度の税制改正について、動きが活発化してまいりました。

税制調査会 第9回 専門家委員会(平成22年10月21日)資料一覧


資料(資産課税)
を見ますと、相続税の増税は決定事項でしょう。

課題として問題点が3つ列挙されています。

・基礎控除
・税率構造
・死亡保険金・死亡退職金に係る相続税の非課税


【基礎控除】

現在の基礎控除額は、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」です。
これと小規模宅地等の特例により、統計としては100人中4人しか相続税を納める状況にありません。
小規模宅地等の特例は平成22年度税制改正により増税済みです。
次は基礎控除いったるで!ということで今回の改正に盛り込まれるでしょう。

「現在の基礎控除は、バブル期の地価の急騰に伴い引き下げられてきたもの。その後の地価下落にもかかわらず、据え置かれている。」とあります。
 

資料(資産課税)によると、昭和58年の地価を「100」とすると、平成22年の地価は「89.8(全国・全用途)」となっています。

素直に読めば、「昭和58年の地価より下がってるのだから、少なくとも昭和58年の基礎控除まで下げてもいいよね、下げるっていうか元に戻すね」となりそうです。

ちなみに、昭和58年当時の基礎控除は、

「2,000万円+400万円×法定相続人の数」


です。

ここまで一気に下げるかわかりませんが、大きく出ておいて真ん中あたりで落とすのはお役人様の必殺技ですからねぇ。


【税率構造】

「税率構造については、昭和63年以降累次にわたり、最高税率の引下げを含む累進構造の緩和が行われてきており、相続税の資産再分配機能の低下につながっている」とあります。

昭和63年以前は最高税率75%で税率14段階
今は最高税率50%で税率6段階

累進が緩い!
段階を多くして、最高税率を上げよう!

というお考えでしょう。


死亡保険金・死亡退職金に係る相続税の非課税


死亡保険金、死亡退職金については、「500万円×法定相続人の数」が非課税です。

基礎控除がたっぷりあるし、この制度はいらない!
様々な金融商品がある中、死亡保険金だけ特別扱いはおかしい!

と読めます。

即ち、死亡保険金等に係る相続税の非課税は廃止!

したいお気持ちのようです。


こうなってくると、うちは相続税なんて関係ない、なんて言っていられないでしょう。
今年改正となった小規模宅地等の改正とあわせると、都心部に持家がある人は、ほとんど相続税の対象となるのでしょうね。



【贈与税の改正動向】

「「贈与税は相続税の補完税」との基本を踏まえつつ、生前贈与の円滑化を通じ、高齢者の保有資産の若年世代への早期移転を促すため、贈与税の暦年課税の税率構造や相続時精算課税制度について見直しを行うべきではないか」とあります。

暦年課税の税率を下げる、あるいは、税率の段階を緩める。
相続時精算課税制度を利用しやすくする。


相続時精算課税制度については、具体的には、受贈者の対象に孫を加える案があるようです。

贈与税については、減税の方向ですね。
国としては生前贈与を活用してもらい、若年層に資金を移動させ、消費を活性化させたいのでしょう。


いずれにしろ、これらが全てそのまま法制化されるとは思いませんが、相続への備えが益々必要とされることは間違いありません。

対策している人としていない人とでは、驚くほど簡単に、数千万円くらいの負担が変わってくるでしょうね。

相続対策のご相談は埼玉県東松山支部所属の関根盛敏税理士事務所まで|相続税専門の税理士|


投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2010年10月29日) | PermaLink

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