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法人税 欠損金の繰越期間が7年→9年になったけれど...
前回、更正の請求期間が5年になりそうだとお伝えしました。
法人税についても更正の請求期間が一部変更される旨が税制改正大綱で提示されています。

【欠損金の繰越控除制度について(平成23年度税制改正大綱抜粋)】

(1)
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度及び青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得の金額の100分の80相当額とし、連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額について、その繰越控除をする連結事業年度のその繰越控除前の連結所得の金額の100分の80相当額とします。これに伴い、次の措置を講じます。

中小法人等については、現行の繰越控除制度を存置します。
(注)中小法人等とは、次の法人をいいます。
①普通法人のうち、各事業年度終了の時において資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの(相互会社等、相互会社等の100%子法人及び資本金の額及び出資金の額が5億円以上の法人を除きます)
②公益法人等
③協同組合等
④人格のない社団等
(中略)

(2)
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間及び連結欠損金の繰越期間を9年(現行7年)に延長します。これに伴い、次の措置を講じます。

青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度及び連結欠損金の繰越控除制度について、その欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存を適用要件とします。

法人税の欠損金額に係る更正の期間制限を9年(現行7年)に延長します。

法人税の欠損金額に係る更正の請求期間を9年とします。
(後略)



簡単に説明すると。

前事業年度以前に生じた赤字は80%までしか当期の利益と相殺しちゃダメですよ(今までは100%OK)
ただし、中小企業は今までどおり100%でいいですよ。
赤字は9年間繰り越していいですよ(今までは7年)
さらに、計算間違いしていた場合、9年間さかのぼってもいいですよ。
でも、税務署側も9年間さかのぼって間違いを見つけますよ。


ってことです。



一見、中小企業にとってはラッキーな改正に思えます。
赤字は今までどおり100%控除OKですし、繰越期間が7年から9年になってますし、さらに更正の請求期間も7年から9年になっています。

が、私はそう思いません。

赤字を9年間繰り越せることになりましたが、9年前の赤字を相殺できるほど利益を出せる中小企業がどれほどあるでしょうか。
もっといえば、9年間赤字を垂れ流している間に、中小企業は倒産してしまうと思うのです。

リーマンショックによる一時的な赤字企業救済を目的としているのでしょうか。
それでも9年間繰り越す前に、利益が出ていれば数年で相殺を終えてしまうと思うのですが。
9年間も相殺が終わらない、なんて状況がありえるでしょうか。
あってもごくわずかだと思うのです。

また、9年前までさかのぼって計算をやり直すことなんてありますかね?
ほとんどないと思いますよ。


その一方、税務署側からの間違いの指摘ができる更正の期間制限が7年から9年に延長されています。
これが意味するところは、9年間に一回税務調査に行けば良い、ということです。
税務署側も暇じゃありません。
税務調査に割ける時間というものは限られています。
税務調査に入ったからには結果を残さないと、彼ら彼女も出世やお給料に響きます。
ですから、利益が出ていて儲かっている企業をターゲットに絞って税務調査の対象とします。
赤字の会社は後回しです。
「後回しにはするものの、一応、税務調査やっとくか、でも7年に一回は多いな、9年に一回くらいでいいだろう」
ってことだと思います。

徴税コストの削減

この意味が大きい改正部分だと思います。


納税者側が9年分の間違いを計算しなおすよりも、税務署側が9年分の間違いを指摘してくる方が圧倒的に多いでしょう。
強かな改正です。


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投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2011年01月24日) | PermaLink

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