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保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例について
会社を解散するにあたって、銀行からの借入金を返済しようと思っている社長様からのご相談です。
リーマンショック後の不況と震災の影響で会社の業績がいよいよ回復できない見通しだということで、会社の解散に踏み切る判断をされた社長様からご相談をいただきました。
下手に延命してさらに悪化させるよりも早期の賢明なご判断だと思います。
こんな状況だそうです。
・金融機関からの借入金が2,000万円ほど残っている
・社長がその債務について会社の保証人になっている
・会社の資金だけでは返済は不可能
・そこで社長個人で所有している空き地を売却してその返済に充てたい
・空き地の時価は約2,000万円で、社長がお父様から相続したもので取得価額は不明
顧問税理士に相談したところ、会社と個人は別なので、社長個人で土地を売った場合には、その利益に対して所得税(譲渡所得)が約380万円かかりますよ、と言われたそうで、セカンドオピニオンを求める意味で当事務所にご質問がありました。
結論から申し上げますと、税金はかかりません。
これは法律上もきちんと明記されていますし、常識で考えてみてもおかしいですよね。
保証人が借金を肩代わりするために土地を売ってその売却代金2,000万円をそのまま2,000万円の借金返済に充てたのですから、そもそも税金を支払うだけのお金が残るはずがないのです。
専門用語としては、「担税力がない」と言います。
税金を払う力がない、という意味です。
上記の内容は、所得税法64条2項に規定されています。
簡単に概要を説明しておきます。
・保証人が貸主に対して借主の債務を保証していること
・保証人が保証債務を履行するために資産を譲渡していること
・保証人が保証債務を履行していること
・保証人が保証債務の履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなっていること
以上の4点が要件となります。
言葉の意味を説明しておきます。
「保証債務の履行」
借主に返済能力がなくなると、貸主は保証人に対して「代わりに返済してください」と請求してきます。
そこで保証人は借主の代わりに返済するわけです。
このことを「保証債務の履行」といいます。
「求償権」
保証人はあくまでも借主の代わりに返済しているので、借主に「代わりに返済してあげたんだから返せ」と請求することができます。
この権利を「求償権」といいます。
上記のご相談の内容からすると、会社が解散するほど経営状況は悪く、資金繰りも悪化しているために社長個人が所有する土地を売却したのですから、当然、社長が会社に求償権を行使することは不可能です。
なので、社長がその土地を譲渡した年分の所得税の確定申告書にこの規定の適用を受ける旨を記載し、必要書類を添付することでこの不動産の売却に係る譲渡税はかからないことになります。
【注意点】
この所得税法64条2項は、実務上頻繁に登場する規定です。
しかし、従来からこの規定の適用については、税務署はかなり厳格です。
もっと簡単に言うと、税務署はこの規定の適用を認めたがりません。
何とかして否認してやろう、と思っている節があります。
例えば。
上記のご相談例の場合、銀行は次のように社長に言ってきます。
「社長、売却代金を一度会社に貸し付けて、会社名義で返済してくれませんか?返済するという結果は変わらないので・・・」
会社自身で返済ができなくなったからといって社長個人の土地を売却して返済する形をとると、銀行的には失点になるんです。
不良債権とみなされてしまうから。
ここで「結果が同じだし銀行さんがそういうなら別に良いか。」なんてやっては絶対にダメです!
上述の4つの要件のうち上から3番目を再度見てもらいたいのですが、「保証人が保証債務を履行したこと」が要件です。
保証人が債務者に返済しなければならないのです。
言いかえれば、社長が自分の名義で銀行に返済をしなければならないのです。
会社から返済した場合、この特例は受けられません。
このあたり実務では銀行との絡みもあってシビアな交渉があったりするのですが、そこは何とか突っぱねないと払わなくてもいい税金を払うことになります。
銀行が会社名義で返済して欲しいと言ってきても社長の個人名義で返済する。
これは覚えておいて欲しいです。
その他にもこの所得税法64条2項の適用にあたってはイロイロ問題がありますのでその適用には細心の注意が必要です。
適用できなかった裁決や判例がたくさん公表されていますので、きちんと研究されている専門家にご相談するのが良いと思います。
今回の顧問税理士のように全くの無知の場合は問題外でしょう。
保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の特例についてのご相談は関根盛敏税理士事務所まで|埼玉県/東松山市/不動産/譲渡/譲渡税|
栃木県
リーマンショック後の不況と震災の影響で会社の業績がいよいよ回復できない見通しだということで、会社の解散に踏み切る判断をされた社長様からご相談をいただきました。
下手に延命してさらに悪化させるよりも早期の賢明なご判断だと思います。
こんな状況だそうです。
・金融機関からの借入金が2,000万円ほど残っている
・社長がその債務について会社の保証人になっている
・会社の資金だけでは返済は不可能
・そこで社長個人で所有している空き地を売却してその返済に充てたい
・空き地の時価は約2,000万円で、社長がお父様から相続したもので取得価額は不明
顧問税理士に相談したところ、会社と個人は別なので、社長個人で土地を売った場合には、その利益に対して所得税(譲渡所得)が約380万円かかりますよ、と言われたそうで、セカンドオピニオンを求める意味で当事務所にご質問がありました。
結論から申し上げますと、税金はかかりません。
これは法律上もきちんと明記されていますし、常識で考えてみてもおかしいですよね。
保証人が借金を肩代わりするために土地を売ってその売却代金2,000万円をそのまま2,000万円の借金返済に充てたのですから、そもそも税金を支払うだけのお金が残るはずがないのです。
専門用語としては、「担税力がない」と言います。
税金を払う力がない、という意味です。
上記の内容は、所得税法64条2項に規定されています。
簡単に概要を説明しておきます。
・保証人が貸主に対して借主の債務を保証していること
・保証人が保証債務を履行するために資産を譲渡していること
・保証人が保証債務を履行していること
・保証人が保証債務の履行に伴う求償権の全部又は一部を行使することができないこととなっていること
以上の4点が要件となります。
言葉の意味を説明しておきます。
「保証債務の履行」
借主に返済能力がなくなると、貸主は保証人に対して「代わりに返済してください」と請求してきます。
そこで保証人は借主の代わりに返済するわけです。
このことを「保証債務の履行」といいます。
「求償権」
保証人はあくまでも借主の代わりに返済しているので、借主に「代わりに返済してあげたんだから返せ」と請求することができます。
この権利を「求償権」といいます。
上記のご相談の内容からすると、会社が解散するほど経営状況は悪く、資金繰りも悪化しているために社長個人が所有する土地を売却したのですから、当然、社長が会社に求償権を行使することは不可能です。
なので、社長がその土地を譲渡した年分の所得税の確定申告書にこの規定の適用を受ける旨を記載し、必要書類を添付することでこの不動産の売却に係る譲渡税はかからないことになります。
【注意点】
この所得税法64条2項は、実務上頻繁に登場する規定です。
しかし、従来からこの規定の適用については、税務署はかなり厳格です。
もっと簡単に言うと、税務署はこの規定の適用を認めたがりません。
何とかして否認してやろう、と思っている節があります。
例えば。
上記のご相談例の場合、銀行は次のように社長に言ってきます。
「社長、売却代金を一度会社に貸し付けて、会社名義で返済してくれませんか?返済するという結果は変わらないので・・・」
会社自身で返済ができなくなったからといって社長個人の土地を売却して返済する形をとると、銀行的には失点になるんです。
不良債権とみなされてしまうから。
ここで「結果が同じだし銀行さんがそういうなら別に良いか。」なんてやっては絶対にダメです!
上述の4つの要件のうち上から3番目を再度見てもらいたいのですが、「保証人が保証債務を履行したこと」が要件です。
保証人が債務者に返済しなければならないのです。
言いかえれば、社長が自分の名義で銀行に返済をしなければならないのです。
会社から返済した場合、この特例は受けられません。
このあたり実務では銀行との絡みもあってシビアな交渉があったりするのですが、そこは何とか突っぱねないと払わなくてもいい税金を払うことになります。
銀行が会社名義で返済して欲しいと言ってきても社長の個人名義で返済する。
これは覚えておいて欲しいです。
その他にもこの所得税法64条2項の適用にあたってはイロイロ問題がありますのでその適用には細心の注意が必要です。
適用できなかった裁決や判例がたくさん公表されていますので、きちんと研究されている専門家にご相談するのが良いと思います。
今回の顧問税理士のように全くの無知の場合は問題外でしょう。
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投稿者 関根盛敏税理士事務所 (2011年04月05日) | PermaLink
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